お久しぶりです。金巻です。いかがお過ごしですか。体調を崩していませんか。
バランスのとれた食事と十分な睡眠と適度な運動が免疫力維持の基本です。改めて心がけてくださいね。
さて、5月は母の日がありましたね。みなさんはどんな母の日を過ごされましたか?
私は毎年、プレゼントをしたり一緒に食事に出かけたりして過ごすのですが、今年は残念ながらそのことが叶いませんでした。
2月初旬、母が独居する高齢者向け住宅のスタッフさんから「お母様が転びました!」との連絡が。どうやら玄関先で尻もちをついて動けなくなったところを近所の方に助けてもらい部屋のベッドに運び入れてもらった、という状況でした。
かけつけると母はベッドの上に放心状態で座っていました。痛みはあるのはもちろんですが、自分に起きたことに混乱している様子。すぐに救急車をよび病院へ搬送。検査結果は腰椎圧迫骨折。2ヶ月の入院とのことでした。
都留での一人暮らしも12年が過ぎ、86歳になっていました。「私は大丈夫だから、心配しなくていいのよ。」が口癖。そうは言っても、転倒だけは気をつけなければと思っていた矢先の出来事でした。家主を失った母の部屋に入って改めて部屋の様子を見ると、一人暮らしはもう限界だったんだなと痛感する光景がいくつも見受けられました。
私も2~3日に1回は様子を見に通っていたのですが、忙しさにかまけて細部まで観ていなかったと反省するばかりでした。そして、これを書いている現在も母は入院中です。
母は入院中に心不全そして胃潰瘍も併発して2度にわたってとても厳しい局面がありましたがその都度しっかりと乗り越えて今日に至っています。
その間、もう独居に戻れる状態ではないので母の部屋は引き払いました。本人がいないところでの退去の片付けは精神的にとても辛いものでした。
仕事を終えてから夜遅くまで片づけをしていると、「毎日この部屋で一人でいたんだなぁ。寂しかっただろうなぁ」などという感情が湧き上がってきて涙をこらえることが何度かありました。
たくさんの荷物の中から、思いがけないものが出てきました。手のひらサイズくらいの紫色のガマ口。今でいうポーチみたいなものです。中には大きめのハンカチで包まれたものが。なぜかドキドキしながらハンカチを解くと中からあせた色の封筒が。その中には小さな桐の箱。なんと、私のへその緒と髪の毛でした。
涙が溢れました。自分の命の源である母と私を繋いでいた証に会えたことに心が震えました。そして母のためにできる限りのことをしてあげようと感じた夜でした。
今年の母の日は、制限付きの面会15分。水羊羹やコーヒーゼリーなど差し入れして会話を楽しみました。私もそうですが、母も確実に死に向かって時が流れています。たった15分でも一緒に過ごせるその一瞬一瞬はとても貴重な時間であることを忘れてはなりません。
頑張って生き抜く姿を見せてくれる母に感謝の気持ちでいっぱいです。 〈裕〉