みなんさん、こんにちは。店長のマッキーです。
この地においてお店を開いて60年。人間であれば還暦です。60年で干支が一回りして再び生まれた年の干支に還ることから、元の暦に還るという意味で還暦と呼ばれているそうです。実に大きな節目であり、初心に戻り、気持ちも新たに姿勢を正す年といえます。
昭和31年(1956年)に当社会長である中村錦蔵がこの地に店を開きました。病院の勤務薬剤師から28歳での挑戦です。店頭で販売する薬や商売そのものに関しては全てがはじめての経験。当時の苦労は察するに余りあるところです。そんな先代に生涯のかけがえのないパートナーである純代が現れます。商人の娘である純代とともに昼夜を惜しんで働きました。薬局という業態の中に化粧品を取り扱ったのことも特徴的なことでした。そのスタイルはいまも当店の特徴として定着しているところです。先代夫妻がしっかりと礎を築き懸命にがんばってきたくれて現在のナカムラ薬局があるわけです。感謝を忘れてはなりません。
私は、結婚を機に都留へ来て中村薬局に入社、まもなく25年になります。結婚する前に「サラリーマンの奥さんにはなれないの?」と弘子さんに質問したとき、彼女は「それは出来ない!」見事な即答でした。続けて「兄を医者に、私を薬剤師にしてくれた、両親がここまで営んできたお店の灯を絶やすわけにはいかないの!」確固たる決意でした。その後結婚し、ともにナカムラ薬局を経営しながら子育てもして、娘が昨年成人となりました。そしてその娘も大学3年生でまもなく留学のために渡米します。この節目の年に。何か不思議なめぐり合わせであり娘にとっても同様に大きな節目になるはずです。弘子さんの「それは出来ない!」と即答した決意の裏にあった商売の厳しさもたくさん味わってきました。
そしてその間に、世の中はめまぐるしく変化してきました。創業当時とはまったく違った時代が到来しています。モノは溢れ、ニーズは多様化。消費者にとっての買い物拠点、選択肢は豊富になりました。ドラッグストア、ホームセンターそしてインターネット。 そんな中にあってこうして、無事に60周年を迎えられることは本当にうれしいことであり、皆様のご愛顧に心から感謝そして感謝です。
今後、どのように歩みを進めるべきかを思案する日々です。そこで痛感することが「相談薬局」の必要性。「相談薬局」とは、私の中では「健康や美容のお悩みに対してしっかりとお話を聴き、その方に、その時点での最適な方法を提案できる薬局」です。病院では充分に悩みを聴いてもらえない厳しい医療現場の現実があります。その人が思い描く自分の健康や美容の理想に向かって、いかに提案できるか、寄り添うことができるか。そのことにしっかりとこだわってお客様に接していきたいのです。そのためには、店頭に立つ私たち自身が自らの身体と心を磨く必要があると、痛感している今日この頃でもあります。
昨年の4月に先代からバトンを受け、代表取締役に就任しました。経営者として未熟者ながらもなんとかその業務を遂行しているところです。
先日、読書中にある経営者の言葉が目にとまりました。株式会社明電舎の元社長、猪熊時久氏の言葉です。
これは、経営者のみならず、特に健康に気をつけなければならない、働き盛りの方すべてに当てはまるような気がするのでここにお伝えしようと思います。
「トップの七戒」と言う言葉で始まるその教え。
「経営者の基本的条件は、ネアカで、肉体的に健康的なことだ。そのために以下の「しすぎ」を戒める。
①飲みすぎ
②食べすぎ
③吸い過ぎ
④怒りすぎ
⑤働き過ぎ
⑥歌いすぎ
⑦たたきすぎ
である。」と。
①~③は極当たり前のことですが、ここが案外難しいのです。
④はとても大切。一方的に部下に対して感情的になるのではなく、部下の成長を思いやり、冷静に叱る、指導するという心がけこそ大切なのです。
⑤は、一人で仕事を背負い込まず、人に任せて、自分にしか出来ない仕事に集中するということ。
⑥は自分ひとりでマイクを独占せずにみんなで同じ歌を合唱しよう!つまり、周囲と心から打ち解けようと言う意味。
⑦は、ゴルフにのめり過ぎないようにしようということ。猪熊元社長はゴルフ好きだったようですが、ゴルフでなくとも、仕事に支障をきたすほどの趣味へののめりこみには注意しましょう。私の場合は、「走りすぎ」に注意が必要かもしれません笑。
あと10年20年と皆様のお役に立ちながら楽しく暮らせればと心より思います。今後ともよろしくお願いいたします。