寒くなりました。この時期になると増えてくるのがひざの痛みに悩む方からの相談です。
代表的な「変形性ひざ関節症」は老化によって関節の周りの腱・筋肉の衰えや関節軟骨がすり減るために起こります。関節軟骨とは骨と骨のつなぎ目の表面を覆う柔らかい骨のこと。ひざにかかる衝撃を吸収するクッションとして働き、ひざの動きを助けています。
皆様もよく耳にするグルコサミンやコンドロイチンは、この関節軟骨を構成する成分。食事からだけでは軟骨の消耗分を補いきれないのでサプリメントなどで補助食品として召し上がっていただくわけです。
しかし、ひざの痛みの原因は軟骨の擦り減りだけではなく関節をつなぐ腱や筋肉の衰えも深く関係していることがわかってきました。実は関節軟骨には痛みを感じる神経がないのでいくらすり減っても軟骨そのものには痛みは起きません。急性期に起こる関節炎の痛みは軟骨の破片が細かな粉となって関節包の中に飛び散ることで炎症が起こり痛むのです。
このような急性期の痛みは炎症を抑える薬を飲むとともに時間の経過で軽減します。
変形性膝関節症が厄介なのは炎症が治まった後も延々と痛みが続くことです。
この慢性期の痛みの正体は関節炎の中ではなく主に関節周囲の腱や筋肉に起こる痛みです。ですから腱や筋肉を柔らかくする運動や腱や筋肉を補強してくれる栄養成分であるコラーゲンを補給することが大切なのです。